モールド内でのビレットの凝固過程においては、凝固開始直後に均一な厚みの凝固シェルを形成させることが重要です。
均一な厚みのシェルの形成ができないと凝固が進むにつれてシェルが菱形にひずみ後工程に大きな悪影響を及ぼします。このシェルの厚みが不均一になるのは、凝固開始直後の冷却速度が極めて速いためです。
そこで、この凝固開始位置に適正なディンプル(くぼみ)を配置し冷却速度をコントロールすることで、均一な厚みのシェルが形成されます。
モールド冷却水質が悪いと冷却水中のCaなどのスケールがモールド外表面に付着し、モールドの抜熱性能は著しく低下します。モールドの抜熱性能低下は、モールドの熱変形や操業トラブル、ビレット品質悪化を引き起こします。
水質改善が難しい場合は、モールド外表面にフィン加工を施し冷却水の流れを乱流にすることで、モールド外表面のスケールの付着を軽減することができます。